秋山仁さんという数学者がいます。
東海大学教育開発研究所教授・数学オリンピック財団専務理事をつとめていらっしゃいましたので、学生の時から天才だったのだろうと思うのですが、高校の数学の授業の時に、「log(ログ)」を10グラムと呼んで、ニックネームが10グラム男となったという伝説があります。
大学生に向けてのメッセージですが、すべての受験生にもあてはまります。
『今、きみたちは、好きなだけ勉強できたり、三度三度の食事にありつけたり、暖かい布団で寝ることもできる。だけどほら、テレビをつけてみろよ。新聞を開いてみろよ。世界に目を移してみろよ。戦争や貧困のあふれる世界で、安穏としていられる自分があたりまえだと考えてはいけない。なぜ、自分にこんな恵まれた環境が与えられたのか、この環境がどうやって誰によってつくられているのかということをいつも考え、感謝する気持ちを忘れてはいけない。
日々、感謝せよ。人々に感謝せよ。
そして、その気持ちを持って、今度は自己研鑽をつんで、他人に感謝されるような仕事をして、全人類に還元せよ。』
夏休みの読書
夏休みに読書をしたいなあと思う人には、最近は「伝記」をお勧めしています。大人もたまには読んでみると、小学生や中学生のときには理解できなかった気づきもあるかと思います。
「私は天才ではない。ただ人よりも長く一つのことと付き合っていただけだ」
アインシュタインの言葉です。
ノーベル賞受賞者の湯川秀樹のもとを訪ね、「原爆で何の罪もない日本人を傷つけてしまった。こんな私を許してください」と激しく泣き出し、深々とお辞儀を繰り返しました。湯川秀樹は「学者は研究室の中が世界の全てになりがちだが、世界の平和なくして学問はない」という考えに至り、世界平和のための運動に力を入れるようになりました。