入試問題が「的中した」と説明会で扱われることがありますが、私は「物語文の構成(プロット)」を理解することで、その本そのものが的中しなくても、文章の理解ができるよと教えています。例えば、桃太郎と漫画「鬼滅の刃」は、仲間を集めて鬼を倒すという構成は共通です。
七つの基本プロット
・クリストファーブッカー「物語の七つの基本プロット」
- 怪物から逃れる(「ベーオウルフ」「ジョーズ」、全てのホラー映画)
- 赤貧から大金持ちに(「シンデレラ」)
- 探究(ギリシャ神話)
- 旅をして帰還(「不思議の国のアリス」)
- 喜劇(「空騒ぎ」「お熱いのがお好き」)
- 悲劇(「ハムレット」「オイディプス王」)
- 再生(「クリスマス・キャロル」
なぜ物語を読むかと言えば、楽しみたいからであり、人生について教えを得たいと思うからだ。もちろんそれは他人の人生だが、読むことで自分の人生についての教訓が得られるのだ。楽しめて、人生においての教訓を同時に得られるものはそれほど多くないが、確かに世界中にある。
イギリス・パブリックスクールにおける古典の考え
・古典とは何か?伝えなければいけないことを、今も伝え続けている本だ。我々は今、古今東西の名作が読めることを、大いに喜ぶべきだ。「ハリー・ポッター」シリーズは、聖書を除いてこれまで書かれたどの本より売り上げは上回ったが、これから100年後まで読まれ続けるかで真の評価が決まる。
そしてイギリス文学を徹底的に学ぶのであれば、100年前に書かれた本のみならず、12000年前に書かれた本も読まなければならない。シェークスピアはまだ400年ほど前に亡くなったばかりだから、1200年の歴史においては「近世」の作家に分類される。