世界60ヵ国を訪問したことがあります。現地の小学校や中学校の教育と日本の教育の違いにも興味があったからです。塾講師は、毎年同じことの繰り返しなので、いつの間にかやっていることに慣れてしまいガラパゴス化してしまうことに危機感も持っていました。
フランス
「フランス人記者、日本の学校に驚く」(大和書房・西村カリン著)という本を読まさせていただきました。私は、日本の公教育には一定の効果があると思っていますが、参考になる部分もたくさんありました。興味ある方には、具体例がたくさん載っておりおすすめです。
・フランスには、入学式がない。
・フランスでは、給食は食べたいものしか食べなくてよい。親が、スマホのアプリで給食のメニューを選ぶ。(ただし、日本の子供には肥満が少ないと言うメリットもある)
・義務教育が3歳から16歳。2歳児も利用可能。2017年のマクロン大統領の施策。義務教育の終わりには、試験がある。年間を通して、授業は9月〜6月末まで。6(7)週間の授業が終わると、2週間休みと言うサイクルがある(ただし、共働きの家族にとっては賛否両論)
・2023年には、教員給与の増額を果たした。
・飛び級(1%)や留年(1.9%)がある。
・小学校のクラス人数平均21.9人。
・幼稚園から大学までの学費は全て無料。
・フランスでは、体育館とプールがあるのが当たり前ではない。
・フランスの学校には、地震や火災の避難訓練はないが。テロ対策の避難訓練をする。(フランスはイスラエルに大量の兵器を売っているという背景がある)
・フランスでは書く宿題が禁止されている。(読む宿題と覚える宿題はOK)。夏休みや冬休みの長期休暇には、宿題がない。
・フランスでは、議論を教育の基礎にしている。議論するには、情報収集が最初のステップだ。子供は、3歳になる頃には言語能力が発達し、交渉することができる。
・フランスで子供っぽい態度とは、自分の意見を言わないことだ。例えば、中1(小6に相当)では、動物実験の是非について、議論させられる。
・2022年2月には、学校でのいじめを犯罪とみなす法律が成立した。最高で懲役10年、15万ユーロを科す。同年9月からは、いじめる側の子が転校しなくてはいけなくなった。
・フランスでの教員不足の原因は、子どもからの暴力、麻薬、モンスターペアレント。
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