原因究明！

・あるカウンセラーからお聞きしたお話。

そのカウンセラー方は、不登校になった生徒に対し、決して「原因を深追いしません」とおっしゃっています。

大抵の場合、親御さんは心配のあまり、つい「なぜ学校にいけないの？」「友達にいじめられたの？」「先生とうまくいかないの？」と原因を探りがちです。それを取り除いてやれば、また学校へ行けるだろうと思っているのです。（企業では「原因」を探るために「なぜ」を突き詰めると言う手法が取られますが、それは「気持ちと言う不確定でないものを扱うこと」だからこそ有効ではないかと私は思います。）

しかし、不登校の原因など、本人でもわからないことが多いものです。

学校へ行かない理由を親からしつこく聞かれて、

「この間、急にお腹が痛くなってトイレに行ったことをからかわれた」

「友達のペンが無くなった時に、僕が隠したって疑われた」

などの理由を挙げたとしても、それらはしょせん後付けの理由です。そんなものを引き出したところで、何の解決にもならないことの方が多いのです。

原因を探したいと言うのは、何とかしてあげたいと言う気持ちのほかに、原因がわかることで安心したいという気持ちもあるのでないかと思います。私は、経験上、「子どもを問い詰める」ことで解決に向かうことは少ないと感じています。傾聴と言う言葉があります。時間はかかりますが、耳を傾けると言うのが実は近道だと思います。