うちの子は自分から何もやりません

諸葛亮孔明がもうじき死んでしまうかも知れないという頃、孔明から敵将の司馬懿の元に使者が送られた。司馬懿が使者に「孔明殿の働きぶりはどうじゃな？」と尋ねると、死者は「朝早くに起きて、夜遅くまで執務しておられます。どんな細かい仕事でも部下任せにせず、ご自身で処理します」と答えた。この様子を聞いた司馬懿は、孔明の死期が近いことを知り、持久戦を選択して勝利を納めた。

高校時代に三国志（吉川英治）を読んだ時には、諸葛亮孔明は悲劇の軍師という印象を受けていましたが、大人になった今では別の感想になります。

それは、優秀な人は「指示待ち人間を作る」ということです。

部下に任せれば良いという仕事も全部自分でやってしまうようになれば、部下は自分で考えることを辞めてしまいます。孔明の指示を待ち、それに従いすれば良い、という「他人事」の姿勢になってしまうということです。

この内容は、子育てにも当てはまるでしょう。

優秀な親が、子どもが失敗しないようになんでも先回りしてやってあげることで、「指示待ち＝言われたことさえやればいいんでしょ」という子どもになるかも知れません。