・心理学「損失回避の法則」とは、「損した時の痛みが利益の(良い出来事が起きた時の喜び)の二倍強く感じてしまう」というもの。だから、得られる利益が大きなものだと確信できないと、人は行動に移せない。
・心理学「保有効果」とは、「自分がすでに持っているものを実際の価値よりも高く見積もってしまう」というもの。
私たちが毎日行っているさまざまな「選択」や「行動」も、こうした心理現象によって、知らず知らずのうちにコントロールされています。つまり、「今のままでいようとする」ことがほとんどなのです。「今の状況でも別にそこまで悪くないのに、わざわざ変える必要があるの?」と、無意識のうちに、行動することを面倒に感じてしまう。これが、私たちが毎日の選択や行動を変えられない最大の理由です。
さらに。
私は保護者会や外部の講演会などで、入試直前に「SN S」などから距離をおくようにお願いしているのがこの部分になります。耳障りの良いことを言っている人の意見をいかにも受験のプロのように受け取らないようにしなくてはなりません。
人間は、過去にとらわれ、合理的な判断ができなくなったり、精神的に追い込まれたりすると、最終的には「今の(変わらないままの)自分が正しい!」ということを裏付けるための情報を集め始めます。これは、「確証バイアス(偏見)」と言って、「今のままの自分が正解」という確証を集めてそう思い込むという心理です。
時には、「変わらない日常」を科学的に分析すると道が開けるかもしれません。