身体能力と同じように、子供の学力には、遺伝や家庭の資源など、子供自身にはどうしようもないような要因が大きく影響しています。しかし、こうした現実にはあまり目が向けられることなく、「努力次第で全員が良い点数を取れるはずだ」という考え方が広まるには問題もあります。(努力を否定しているわけではないのは、もちろんです)
子供は、本人が努力さえしさえすれば教育によって成功を得られる、別の言い方をすれば、「成功しないのは、努力をせずに怠けているからだ」と単純な図式で考えがちです。人生は、そんなに単純ではありません。この結果、不利な環境(学校に行けない、塾に行けない、満足な食事すら取れない・・・)に置かれている他人を思いやることのできない「いけすかない」タイプの人間を多く育ててしまってはいけません。
何のための努力(勉強)なのかを、時には俯瞰してみなければ。