飛行機に搭乗した際、最初は大きなノイズ音が気になりますが、そのうちあまり気にならなくなります。これは、ノイズのように情報量の変化の少ないものは、もはや知覚にあげる必要がないとして処理され、意識に上らなくなった結果です。他の例としてカクテル・パーティ効果が挙げられます。これは、ガヤガヤして何も聞こえないような賑やかなパーティ会場でも、自分の名前が呼ばれたり、気になる言葉が聞こえたりしてくるとそこに注意が向いて聞き取れるという不思議な現象です。私たちは、非意識的に情報の取捨選択をしています。
この内容を講演会でお話しすることがあります。
中学受験にどっぷり浸かっていると、その種の情報ばかりが目についたり、耳に入ったりしてきます。しかし、中学受験に関係ない人にとっては、今の入試の状況や学校の情報などまたく知らないということが良くあります。最近、注目を集めてきた学校のことなどは、むしろ知らないのが当たり前です。野球に興味がない人にとっては、今、セリーグで3位はどこのチームなの、そのチームの4番バッターの名前は?とか聞いてもちんぷんかんぷんであろうと思います。
志望校を決めるときに、知り合いやご近所さんに「どこ受かったの」と聞かれた時に、偏差値の低い学校を答えたくないという心理があるかもしれません。しかし、その心配の必要はほぼありません。一部の超有名校以外は、みんな同じ感覚ではないでしょうか?他人の目なんか、100%気にする必要はありません。