そもそも感情は、湧き起こる情動に対する言語化ですから、言葉を知らないと、適切に自分の感情を分解できません。したがって、情動に関する語彙を増やすことが重要です。「嬉しい」ではなく、「こそばゆい感じ」など自分の気持ちの微妙な違いを表すのにしっくりする言葉を見つけて、情動の解釈の解像度を高めることができます。
読書をする子どもが情動知性の高い人になるのは、本を通して他者の人生を体験できるからです(代理体験と言います)。人生は一度きりしかありませんが、小説や映画の主人公に感情移入しながら、情動の解像度を高めることができるのですl
私たちの脳には、他者の動きを見ている際に働く脳細胞が存在しています。これは、「ミラーニューロン」と名付けられており、共感の脳のメカニズムとされています。テレビの中だとしても誰かが痛そうにしているのを見ると、自分も痛くなるような気がするのは、このミラーニューロンの働きによるものです。
読書をしても国語の成績が上がらないという国語講師がいますが、真向反対です。一番意地悪な言い方をすると読書をしても成績が上がらないのではなくて、あなたに国語を習っているから成績が上がらないのでは?(そもそもが教育者が、読書を否定するのが間違っています。読書は、受験のためだけではないと私は思いますが、皆様はいかがでしょうか?本の中の登場人物のセリフに救われることもあるのではと思います)