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喜びも悲しみも

精神科医、医学博士の清水研さんのお話。

心理学の観点から見ると、主な感情は「喜び」「悲しみ」「怒り」「不安」の四つしかなく。ポジティブな感情は喜びの一つしかありません。しかし、悲しみや怒り、不安といったネガティブな感情にも、実は、人間にとって大切な役割があることがわかっています。

例えば、悲しみという感情には、心の傷を癒す効果があります。悲しむことで、受け入れ難い過去と決別し、新たな人生をスタートすり手助けとなります。怒りという感情にも、自分の大切な領域を守り、現在の問題を解決する力があります。不安という感情は、「自分の身に危険が迫っている」と知らせる、脳からの警告でもあります。

ただし、不安という感情は大きな効能がある半面、人生を狂わせ、破滅させる危険性も秘めています。特に将来への不安が抑えられず、雪だるまのように膨れ上がっていくと、悪い方にしか思考が向かなくなり、自分でも手がつかなくなってしまいます。不安が暴走することがあるということをメタ認知しておくとリスクは軽減すると思います。

また、第一線で活躍するスポーツ選手が陥る「イップス」という言葉があります。ゴルフの選手が、「簡単なパットを打てなくなった」というように、自分の思い通りのプレーができなくなる症状が起こるのです。その原因として、「うまくプレーしなくては」という不安からくる強迫観念が、無意識のうちに脳にダメージを与え、体をうまく動かせなくなると考えられています。一流のアスリートですら、不安に囚われることがあると知ると少し楽になります。

解決法としては、今の不安は、「根拠のない<強迫観念>ではないか?」と落ち着いて考えてみること。そして二つ目。最近ではよく「心が折れる」という表現を使いますが、ピンと張り詰めている心ほどいざというときに弱いものです。柳のようなしなやかなメンタルを意識すると良いそうです。(私は、北斗の拳のトキを思い出します。)

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