1961年5月4日。
アメリカの宇宙飛行士を乗せた熱気球が、行動およそ3万5000メートルという、宇宙の端をかすめるほどの高さまで上昇した。目的はNASAの新しい宇宙服を試すことだった。飛行は成功し、宇宙服も問題なく機能した。
地上に戻ってきた宇宙飛行士は、新鮮な空気を吸おうとヘルメットのフェイスプレートを開いて予定どおりに海に着水した。宇宙服はもちろん防水仕様になっていたし、浮力もあるので大丈夫だと思われた。ところが、フェイスプレートを開けていたために、海水が宇宙服に流れ込み、彼は溺死してしまった。
最大のリスクとは、いつだって誰も予想し得ないところに起こる。
東日本大震災、新型コロナウイルスなども、予想外の出来事であった。
「天災は忘れたころにやってくる」
