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有事感

ここ20年ほど、この国の職業教育は「組織や国の歯車になること」ではなく、「あなた自身の自己実現のため」に行われる。そのため、「職場は、自分自身の人生を輝かせるステージだ」と思い込んでしまい、顧客ではなく自分が主人公になってしまっている人も多い。だから、上司にミスを指摘されたのではなく、「ミスを指摘されて、顧客の被害を最小限にすることができた」と言う安堵よりも、「人前で恥をかかされた」と言うことに必要以上に敏感になっているのでなはないか?

救急救命の手術室や火事や災害の現場では、「部下へのダメ出し」は正義だとわかる。難しいのは、それ以外の場所。上司が有事(大変なこと)だと判断したのに、部下はそう思っていないとき、部下は恨みを募らすことがある。例えば、部下の顧客対応にミスがあった場合、上司は有事だと思って注意したのに、部下の側にはその感覚がない場合はハラスメントと受け止められてしまうのだ。せっかくの的確な指示をハラスメントに変えないためにも、上司と部下の間で、事前に有事の感覚を揃えておく必要がある。

主語が相手(顧客)なのか?自分なのか?は20世紀と21世紀の仕事観の違いです。良し悪しではないのでしょう。結局は、親子間も含めて、コミニケーションの質と量につきます。

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