エトムント・フッサールという人は「現象学」という哲学を創始した人です。現象学とは、簡単にいうと、「私たちは常にどこかの視点から物事をみていて、世界はその視点の中に現れてくる」という考え方です。
身長の高さ、視力などによっても見える世界は違いますし、年齢や今まで生きてきた環境、そしてその日の気分などによっても世界は違って見えてきます。例えば、「50点の答案」があったとして、いつも100点の生徒と20点の生徒によっては受け取り方が違います。本人とその親でも違うでしょう。
ある視点から見る世界は、全て「価値」によって色づけられています。多数派や少数派はあっても、中立的な見方は存在しない。そういうことに気づかせてくれルような学問が現象学です。(その視点で、2024年の灘中学の「軍艦島」のエッセイからの出題は良問でした。)
