「単純提示効果」という現象がある。同じものに何度も接していると、それを好ましく思う効果だ。人間は未知のものには不安を、慣れ親しんだものには安心を抱く。広告のフレーズが繰り返しやすいものを選ばれるのもそのためだ。「単純接触効果」も同じ意味。アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって提唱されたため、「ザイアンス効果」とも呼ばれている。湯川秀樹氏は、幼い頃から漢文の素読を祖父にやらされたというエピソードがある。当然、意味がわからないので、ただただ読む。しかし、その後に大人の書物を読む始める時に、大いに役に立ったという。漢字にへの慣れにより、文字への抵抗がなくなったということだ。夏目漱石にも、漢文の教養があったのは有名な話。
読書が受験に役に立つのか?という議論がある。どれくらいの量と内容の読書なのか、役に立つとは何を指すのかが明確ではないので、議論の結論は出てこない。ただし、慣れにより長い文章を読むのに抵抗がなくなるというメリットがあるのは間違いないだろう。
今回は、あまり教育をコスパやタイパで語りすぎるのは、どうかと思う。という趣旨の今回のブログである。「読書百遍意自ずから通ず」という言葉があるが、古くから言い伝えられてきたこととデータ重視であっても近年だけの分析では前者の方が信用できると私は思っているが、いかに。


お問い合わせ
アクセス